IT用語を超やさしく理解する
代表値
別名: 代表値 / 平均値 / 中央値 / 最頻値 / mean / median / mode
先に知っておくと分かりやすいことば(1語)
必要なら先に確認できます。知っていることばは、そのまま読み進めて大丈夫です。
- データの尺度名義尺度・順序尺度・間隔尺度・比例尺度の違いと、それぞれで意味のある比較や計算を具体例で説明します。
30秒で思い出す
代表値は、たくさんのデータの特徴を1つの値で表すための値です。
代表的なものは次の3つです。
- 平均値: 全部足して個数で割る
- 中央値: 小さい順に並べたとき中央にくる値
- 最頻値: 最も多く現れる値
どれを使うかは、データの性質や外れ値の有無によって変わります。
超やさしく理解
5人が集めたシールの枚数を比べてみましょう。
2枚、2枚、2枚、4枚、20枚
「この5人は、だいたい何枚くらい持っているのかな?」と聞かれたら、答え方は1つではありません。
- 平均値:全員のシールをいったん集め、同じ枚数になるよう5人に分けると、1人6枚です。
- 中央値:枚数の少ない順に並べたとき、真ん中の人は2枚です。
- 最頻値:一番多くの人が持っている枚数は、3人が持っている2枚です。
どれも、たくさんの数字を1つの数字で紹介する方法です。このような数字を「代表値」と呼びます。
ただし、平均の6枚を持っている人は、この5人の中にはいません。20枚持っている人が1人いるため、平均が大きくなっています。
「みんなで同じ枚数に分けたら?」を知りたいなら平均値、「真ん中の人は?」なら中央値、「一番よくある枚数は?」なら最頻値。何を知りたいかに合わせて、代表値を選びます。
平均値
平均値は、データをすべて足して、データの個数で割った値です。
データが、
2, 4, 6, 8
なら、
(2 + 4 + 6 + 8) / 4 = 5
なので、平均値は5です。
平均値はすべての値を計算に使うため、データ全体の大きさを反映します。
一方で、極端に大きい値や小さい値の影響も受けやすいという特徴があります。
中央値
中央値は、データを小さい順に並べたとき中央に位置する値です。
データが、
2, 3, 7, 9, 20
なら中央の7が中央値です。
データの個数が偶数なら、中央にある2つの値の平均を取ります。
たとえば、
2, 4, 8, 10
なら、
(4 + 8) / 2 = 6
なので、中央値は6です。
中央値は、極端な外れ値の影響を平均値より受けにくいという特徴があります。
最頻値
最頻値は、最も多く現れる値です。
データが、
1, 2, 2, 2, 5, 8
なら、2が最頻値です。
最頻値は、数値データだけでなくカテゴリデータにも使えます。
たとえば利用OSが、
Windows, macOS, Windows, Linux, Windows
なら、最も多いWindowsが最頻値です。
3つを比べる
データが、
1, 2, 2, 4, 11
のとき、
- 平均値: 4
- 中央値: 2
- 最頻値: 2
です。
同じデータでも代表値によって値が違います。
「代表値」といっても、どれか1つが常に正しいわけではありません。
外れ値があるとどうなる?
平均値はすべての値を使うため、外れ値の影響を受けます。
たとえば、
10, 10, 11, 12, 100
では、平均値は28.6です。
しかし、5個中4個は10〜12に集まっています。
中央値は11なので、この場合はデータの中心を説明する値として中央値の方が分かりやすいことがあります。
外れ値があるから必ず中央値を使う、という意味ではありません。
分析したい目的とデータの分布を見て判断することが大切です。
データの尺度とのつながり
前のKnowledgeで学んだ尺度によって、意味を持ちやすい代表値が変わります。
名義尺度
順序がないため、平均値や中央値は通常意味を持ちません。
最頻値は使えます。
順序尺度
順番に意味があるため、中央値や最頻値を使えます。
段階間の差が一定とは限らないので、平均値の扱いには注意が必要です。
間隔尺度・比例尺度
値の差に意味があるため、平均値・中央値・最頻値を状況に応じて使えます。
ただし、尺度だけでなく分布や外れ値も確認します。
平均値が向く場面
平均値は、すべての値を使って全体の水準を見たいときに向いています。
例:
- 1日の平均CPU使用率
- 平均転送量
- 平均処理時間
ただし、分布が大きく偏っている場合や極端な外れ値がある場合は、平均値だけを見ると実態を誤解することがあります。
中央値が向く場面
中央値は、極端な値の影響を抑えながら中央の位置を見たいときに向いています。
例:
- 応答時間
- 復旧時間
- 所要時間
外れ値が含まれる可能性が高いデータでは、平均値と中央値を両方見ることも有効です。
最頻値が向く場面
最頻値は、最も一般的な値やカテゴリを知りたいときに向いています。
例:
- 最も多いOS
- 最も多いエラーコード
- 最も多い問い合わせカテゴリ
カテゴリデータにも使える点が大きな特徴です。
どこで使う?
ITでは、多数の測定値やログを1つの値で要約したい場面があります。
- 平均応答時間
- 中央値のレイテンシ
- 最も多いエラー種別
- 平均CPU使用率
- 中央値の復旧時間
代表値を使うとデータ全体の特徴を短く表せますが、1つの値だけですべてを説明できるわけではありません。
必要に応じて、度数分布・箱ひげ図・分散・標準偏差なども組み合わせます。
よくある勘違い
平均値が一番正しい代表値?
違います。
平均値は便利ですが、外れ値や分布の偏りに影響されます。
目的によって中央値や最頻値の方が適切な場合があります。
中央値は並べなくても求められる?
基本的には小さい順に並べて中央を確認します。
並べる前の位置をそのまま中央と考えないようにします。
最頻値は必ず1つ?
必ずしも1つとは限りません。
同じ最大回数で複数の値が現れる場合は、最頻値が複数になることがあります。
名義尺度でも平均値を計算できる?
数字でコード化されていても、その数字が単なるラベルなら平均値に意味はありません。
計算できることと、計算結果に意味があることは別です。
このKnowledgeで扱わないこと
ここでは、平均値・中央値・最頻値の基本計算と使い分けを扱います。
次は後続Knowledgeへ分けます。
- 分散
- 標準偏差
- 歪度 / 尖度
- 相関係数
- 回帰分析
- 推定 / 仮説検定
ここまで分かればOK
- 平均値を計算できる
- 中央値を求められる
- 最頻値を求められる
- 外れ値が平均値へ与える影響を説明できる
- データの尺度や目的に応じて代表値を選べる
- 代表値だけでは分布全体を説明できないことを理解できる
資格との関係
基本情報技術者試験
- シラバス
- Ver.9.2
- 必要な理解
- 問題で応用できる
- 重要度
- 高
- 分野
- テクノロジ
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答えを選んで、なぜそうなるのかまで確認できます。
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