science-space ・ 約4分

地球ちきゅうの『重さの中心ちゅうしん』は季節きせつで少し動く NASAが衛星えいせいで測る

雪や雨、海の水、空気くうきが季節きせつごとに移動いどうすると、地球ちきゅうの重さの中心ちゅうしんも数ミリ動きます。NASAの研究けんきゅうから、その小さな変化へんかを衛星えいせいで測る方法ほうほうを解説かいせつします。

設定・お気に入り・閲覧履歴は、この端末のブラウザ内だけに保存されます。

30秒まとめ

NASAの研究けんきゅうチームは、雪や雨、海の水、空気くうきの移動いどうで地球ちきゅうの重さの中心ちゅうしんが季節きせつごとに数ミリ動く様子ようすを、衛星えいせいの動きから詳しく調べました。

この記事のことばを確認する

記事に出てくることばを、短い説明で確認できます。

NASA(アメリカ航空こうくう宇宙うちゅう局)
アメリカ政府せいふの宇宙うちゅう・航空こうくうの機関きかんで、宇宙うちゅう探査たんさ、地球ちきゅう観測かんそく、宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう、航空こうくう技術ぎじゅつなどの研究けんきゅうやミッションを進めています。
JPL(ジェット推進すいしん研究けんきゅう所)
NASAの宇宙うちゅう探査たんさを支える研究けんきゅう所で、惑星わくせい探査機たんさきや宇宙うちゅう観測かんそく技術ぎじゅつの開発かいはつ・運用うんようを行っています。カリフォルニア工科大学だいがくがNASAのために運営うんえいしています。
人工衛星じんこうえいせい
人が作り、ロケットなどで宇宙うちゅうへ運んで、地球ちきゅうやほかの天体てんたいのまわりを回るようにした機械きかいです。
地下水ちかすい
雨や雪などの水が地面じめんにしみこみ、土や岩のすき間にたまった水です。
質量しつりょう中心ちゅうしん(重さの中心ちゅうしん)
物や天体てんたいの重さが、全体ぜんたいとしてどこに集まっていると考えられるかを表す中心ちゅうしんの点です。物の形の中心ちゅうしんと同じ場所ばしょになるとは限りません。

何があった?

NASAジェット推進すいしん研究けんきゅう所(JPL)が中心ちゅうしんとなる研究けんきゅうチームは、人工衛星じんこうえいせいの位置いちを非常ひじょうに細かく追うデータを使い、地球ちきゅう全体ぜんたいの重さの中心ちゅうしんが季節きせつごとにどのように動くかを調べました。研究けんきゅうは2026年9月14日にGeophysical Journal Internationalで発表はっぴょうされ、NASAは9月16日に内容ないようを紹介しょうかいしました。

どこの国?

アメリカ合衆国は北アメリカにあります。

変化へんかは地球ちきゅう全体ぜんたいで起きます。北半球きたはんきゅうに雪が多くたまる時期じき、アマゾン川流域りゅういきに雨水あまみずが多くたまる時期じき、海に水が多く移る時期じきなどで、地球ちきゅう上の重さの分かれ方が少しずつ変わります。

なぜ大事?

人工衛星じんこうえいせいの動きを正確せいかくに計算けいさんするには、地球ちきゅう全体ぜんたいの重さの中心ちゅうしんを基準きじゅんとして考える必要ひつようがあります。この位置いちを正確せいかくに知ることは、衛星えいせいを使った位置いちの測定そくていや、土地とちや海面かいめんの高さを細かく調べるときの基準きじゅんをより正確せいかくにすることにつながります。

これからどうなる?

研究者けんきゅうしゃは、人工衛星じんこうえいせいの追跡ついせき、GPS、重力じゅうりょくを測る衛星えいせい、海や大気たいきのモデルなど、別々べつべつの方法ほうほうで得た結果けっかを比べながら、地球ちきゅうの基準きじゅんとなる位置いちをさらに正確せいかくにしていきます。

日本との関係

日本にほんでも人工衛星じんこうえいせいを使った測量そくりょうや位置いち情報じょうほうは、地図ちずづくり、防災ぼうさい、農業のうぎょうなどで使われています。地球ちきゅうの基準きじゅんとなる位置いちを正確せいかくに知ることは、世界せかいで同じ座標ざひょうを使うための土台どだいになります。

もう少しくわしく

地球ちきゅうの「真ん中」は一つだけ?

地球ちきゅうを丸いボールのように考えると、「中心ちゅうしんはいつも同じ場所ばしょ」と思うかもしれません。

でも地球ちきゅうには、形から考える中心ちゅうしんとは別に、地球ちきゅう全体の重さがつり合う中心ちゅうしんがあります。科学かがくでは「質量中心ちゅうしん」と呼ばれるものです。

地球ちきゅうは固い岩だけでできているわけではありません。海の水、雪や氷、川や湖、地下水ちかすい、そして空気くうきも地球ちきゅうの一部です。

これらが移動いどうすると、地球ちきゅう全体の重さの分かれ方もほんの少し変わります。

雪や雨で数ミリ動く

NASAのジェット推進研究けんきゅう所(JPL)が中心ちゅうしんとなる研究けんきゅうチームは、この「重さの中心ちゅうしん」が季節ごとにどう動くかを詳しく調べました。

NASAによると、北アメリカやユーラシア大陸に雪が多くたまる3月ごろには、重さの中心ちゅうしんが北極の方向ほうこうへ約3ミリ動きます。

4月ごろには、アマゾン川の流域に大量の雨水あまみずがたまり、今度は南アメリカの方向ほうこうへ約2.2ミリ動くと計算されました。

数ミリはとても小さな距離です。それでも、地球ちきゅう全体を測る科学かがくでは無視できない大きさおおきさです。

どうやって地球ちきゅうの中の点を測るの?

地球ちきゅうの中心ちゅうしんへ機械を置いて測ることはできません。

そこで研究者けんきゅうしゃは人工衛星じんこうえいせいの動きを使います。

人工衛星じんこうえいせいの軌道を正確に計算するとき、地球ちきゅう全体の重さの中心ちゅうしんが大切たいせつな基準きじゅんになります。地上ちじょうからレーザーなどで衛星えいせいまでの距離を細かく測ると、衛星えいせいの軌道の小さな変化から、重さの中心ちゅうしんがどこにあるかを計算できます。

研究けんきゅうでは、LAGEOSという丸い人工衛星じんこうえいせいの観測かんそくに加え、GPSや低い高さを回る衛星えいせいなどのデータも組み合わせくみあわせました。

正確な「ものさし」の出発点になる

地球ちきゅうの重さの中心ちゅうしんは、人工衛星じんこうえいせいを使って位置を決めたり、土地や海面の高さを測ったりするときの大切たいせつな基準きじゅんです。

もし基準きじゅんとなる点の位置に数ミリのずれがあると、世界中せかいじゅうでとても細かな変化を比べる研究けんきゅうでは、そのずれも考える必要ひつようがあります。

研究者けんきゅうしゃは、別々の方法ほうほうで調べた結果を比べることで、地球ちきゅうを測るための「ものさし」をより正確にしようとしています。

地球ちきゅうは静かなボールではない

今回こんかいの研究けんきゅうのおもしろいところは、地球ちきゅう全体の動きを考えるとき、海や雪や空気くうきまで関係かんけいしていることです。

雨が降り、雪が積もり、氷がとけ、水が川から海へ移ります。私たちの目には地球ちきゅうの形が変わっていないように見えても、重さの分かれ方は季節とともに動いています。

ほんの数ミリの変化を測ることから、地球ちきゅうの水や空気くうきがどのように動いているかも見えてくるのです。

MINI QUIZ

1問だけチャレンジ

地球ちきゅうの『重さの中心ちゅうしん』が季節きせつで少し動く主な理由りゆうは?

情報源

最終確認:

この記事の制作では、AIを編集補助として利用しています。公開前に人が内容を確認しています。