science-space ・ 約4分

海王星かいおうせいの向こうに27個の小さな天体てんたい ハッブルとウェッブが『生まれたころの色』を調べる

ハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうとジェームズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうを組み合わせくみあわせ、海王星かいおうせいより遠くを回る小さな天体てんたいを調べた研究けんきゅうをやさしく解説かいせつします。

設定・お気に入り・閲覧履歴は、この端末のブラウザ内だけに保存されます。

30秒まとめ

ウェッブの深い観測かんそくで、海王星かいおうせいより遠くを回る小さな天体てんたいが27個見つかりました。ハッブルの可視かし光観測かんそくも組み合わせるくみあわせると、小さな天体てんたいの色は大きな仲間なかまとよく似た関係かんけいを保っていました。

この記事のことばを確認する

記事に出てくることばを、短い説明で確認できます。

太陽たいよう系外縁がいえん天体てんたい
太陽たいよう系の外側そとがわ、主に海王星かいおうせいより遠い領域りょういきを回っている小天体てんたいの仲間なかまです。英語えいごの頭文字からTNOとも呼ばれます。
赤外線せきがいせん
人の目には見えない光の一種いっしゅで、目に見える赤い光より波長はちょうが長い電磁波です。
宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう
地球ちきゅうの大気たいきの外から宇宙うちゅうを観測かんそくする望遠鏡ぼうえんきょうです。可視かし光だけでなく、赤外線せきがいせんやX線エックスせんなどを調べるものもあります。

何があった?

NASAは2026年9月8日、ジェームズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうの観測かんそくで海王星かいおうせいより外側そとがわを回る太陽たいよう系外縁がいえん天体てんたい(TNO)27個を新たに見つけ、ハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうとの連携れんけい観測かんそくで色や性質せいしつも調べた研究けんきゅうを発表はっぴょうしました。色を詳しく比べた研究けんきゅうでは、ウェッブで見つかったTNOのうち13個をハッブルでも確認かくにんしています。

どこの国?

アメリカ合衆国は北アメリカ、カナダは北アメリカにあります。

観測かんそく対象たいしょうは海王星かいおうせいより遠い太陽たいよう系の外側そとがわです。研究けんきゅうチームは同じ空の領域りょういきを、ハッブルでは目に見える光、ウェッブでは赤外線せきがいせんでほぼ同時どうじに観測かんそくしました。

なぜ大事?

TNOは、太陽たいよう系ができたころの小さな『惑星わくせいの材料ざいりょう』が多く残っていると考えられています。小さい天体てんたいでも大きな仲間なかまと似た色の特徴とくちょうを保っていたことは、表面ひょうめんが衝突しょうとつで大きく変わっていない可能性かのうせいや、できた場所ばしょの特徴とくちょうを今も残している可能性かのうせいを考える手がかりになります。

これからどうなる?

研究者けんきゅうしゃは、小さなTNOが予想よそうより少なかった理由りゆうや、なぜ表面ひょうめんの色の特徴とくちょうが保たれているのかをさらに調べます。『過去かこを覚えている』という表現ひょうげんは比喩ひゆで、天体てんたいに記憶きおくがあるという意味いみではありません。

日本との関係

日本にほんの研究者けんきゅうしゃも、すばる望遠鏡ぼうえんきょうなどを使って太陽たいよう系外縁がいえん天体てんたいの観測かんそくや太陽たいよう系形成けいせいの研究けんきゅうを続けています。遠い小天体てんたいの数や色を調べることは、地球ちきゅうを含む惑星わくせいがどのようにできたかを考える研究けんきゅうにつながります。

もう少しくわしく

海王星より向こうには、小さな天体てんたいがたくさんある

太陽たいよう系には、地球ちきゅうや木星もくせいのような大きな惑星わくせいだけでなく、たくさんの小さな天体てんたいがあります。

海王星より遠くを回る小天体てんたいは**太陽たいよう系外縁天体てんたい(TNO)**と呼ばれます。多くは氷を含み、とても小さく、暗いため、地球ちきゅうから見つけるのは簡単ではありません。

NASAによると、今回こんかい調べたTNOの多くは、肉眼で見える天体てんたいより1億倍以上いじょう暗いものです。

ウェッブが27個の新しいTNOを発見はっけん

研究けんきゅうチームは、ハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうとジェームズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうを、ほぼ同じ時間じかんに同じ空の方向ほうこうへ向けました。

ハッブルは主に目に見える光を、ウェッブは赤外線せきがいせんを観測かんそくします。二つの望遠鏡ぼうえんきょうの得意分野を合わせることで、同じ小天体てんたいを違う波長はちょうで調べられます。

ウェッブの深い観測かんそくから、27個のとても暗いTNOが新たに見つかりました。NASAは、今回こんかい観測かんそくした最小の天体てんたいを直径約5キロメートルと説明せつめいしています。

色を詳しく調べた別の研究けんきゅうでは、ウェッブで見つかった天体てんたいのうち13個をハッブルの画像がぞうでも確認かくにんし、可視光から赤外線せきがいせんまでの色を比べました。

小天体てんたいの大きさおおきさは、明るさあかるさや表面ひょうめんがどれくらい光を反射するかという仮定にも左右されるため、直径の数字すうじには推定が含まれます。

『過去かこを覚えている』ってどういうこと?

NASAの発表はっぴょうでは、小さなTNOの色の特徴とくちょうが、それぞれの大きな仲間なかまとよく似た関係かんけいを保っていました。

研究者けんきゅうしゃは、もっと小さな天体てんたいでは長い間の衝突しょうとつによって表面ひょうめんが変わり、大きな天体てんたいとは違う色になっている可能性かのうせいも考えていました。ところが、今回こんかいの観測かんそくではそうした大きな変化ははっきり見えませんでした。

そこでNASAの記事きじは、小さなTNOが**『どうやってできたかを覚えている』**ようだと表現しています。

もちろん、本当に記憶しているわけではありません。色や表面ひょうめんの性質に、太陽たいよう系ができたころの特徴とくちょうが残っているかもしれない、という比喩です。

『冷たい集団』と『熱い集団』

TNOには、太陽たいよう系の平面に近いところを比較ひかく的丸い軌道で回るグループと、もっと細長く傾いた軌道を持つグループがあります。

研究けんきゅうでは、それぞれを力学的に「cold(冷たい)」と「hot(熱い)」と呼んで比べました。ここでの冷たい・熱いは、温度おんどのことではなく軌道の動き方を表す言葉ことばです。

二つのグループは、太陽たいよう系の初期しょきには違う場所ばしょでできたと考えられています。それでも今回こんかい、小さな天体てんたいの大きさおおきさの分布には似たところが見つかりました。

小さな天体てんたいが少なかったのはなぜ?

研究けんきゅうチームは、いくつかの惑星わくせい形成けいせいモデルから予想したよりも、とても小さなTNOが少ないことも見つけました。

この違いが何を意味いみするかは、まだ決まっていません。小天体てんたいがどのようにでき、どのくらい衝突しょうとつしてきたかについて、モデルを見直すみなおす手がかりになる可能性かのうせいがあります。

遠くにある数キロメートルほどの小さな天体てんたいを調べることで、太陽たいよう系ができたころのしくみを考える材料ざいりょうが増えているのです。

MINI QUIZ

1問だけチャレンジ

ハッブルとウェッブを組み合わせるくみあわせる利点りてんは?

この記事に出てくる組織

  • NASA(アメリカ航空宇宙局):アメリカ政府の宇宙・航空の機関で、宇宙探査、地球観測、宇宙望遠鏡、航空技術などの研究やミッションを進めています。
  • 国立天文台(NAOJ):日本の天文学を中心に研究・観測を行う研究機関で、すばる望遠鏡などを使った観測や国際共同研究を進めています。

情報源

最終確認:

この記事の制作では、AIを編集補助として利用しています。公開前に人が内容を確認しています。