science-space ・ 約4分

星はどこまで小さく生まれる? Webb望遠鏡ぼうえんきょうが『木星もくせいの約2倍』の褐色かっしょく矮星わいせいを発見はっけん

ジェームズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうが、約1,000光年先の星が生まれる場所ばしょIC 348を観測かんそくしました。木星もくせいの約2倍という小さな褐色かっしょく矮星わいせいから、星の生まれ方を考えます。

設定・お気に入り・閲覧履歴は、この端末のブラウザ内だけに保存されます。

30秒まとめ

Webb望遠鏡ぼうえんきょうが約1,000光年先のIC 348を観測かんそくし、木星もくせいの約2倍という、これまでで最も軽い部類ぶるいの褐色かっしょく矮星わいせいを見つけました。

この記事のことばを確認する

記事に出てくることばを、短い説明で確認できます。

宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう
地球ちきゅうの大気たいきの外から宇宙うちゅうを観測かんそくする望遠鏡ぼうえんきょうです。可視かし光だけでなく、赤外線せきがいせんやX線エックスせんなどを調べるものもあります。
褐色かっしょく矮星わいせい
星と似たようにガスの雲から生まれますが、普通ふつうの星のように水素すいその核融合かくゆうごうを長く続けるには小さすぎる天体てんたいです。
赤外線せきがいせん
人の目には見えない光の一種いっしゅで、目に見える赤い光より波長はちょうが長い電磁波です。

何があった?

NASAは2026年9月15日、ジェームズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうによる星形成けいせい領域りょういきIC 348の新しい大規模だいきぼ画像がぞうと研究けんきゅう成果せいかを公開こうかいしました。研究けんきゅうチームは、木星もくせいの約2倍の質量しつりょうしかない褐色かっしょく矮星わいせいを確認かくにんし、これまで知られている中で最も軽い褐色かっしょく矮星わいせいの一つだとしています。

どこの国?

アメリカ合衆国は北アメリカにあります。

IC 348はペルセウス座の方向ほうこう、地球ちきゅうから約1,000光年先にある星形成けいせい領域りょういきです。ガスやちりの雲の中で若い星や褐色かっしょく矮星わいせいが生まれています。

なぜ大事?

褐色かっしょく矮星わいせいは星と似たようにガスの雲から生まれますが、中心ちゅうしんが十分じゅうぶんに熱くならず、普通ふつうの星のように水素すいその核融合かくゆうごうを長く続けられません。どこまで小さな天体てんたいが星と同じ仕組みしくみで生まれるのかを調べることは、星の誕生たんじょうの仕組みしくみを理解りかいする手がかりになります。

これからどうなる?

研究けんきゅうチームは、今回こんかいのような非常ひじょうに軽い褐色かっしょく矮星わいせいがどのようにできるのかを、理論りろんやほかの星形成けいせい領域りょういきの観測かんそくと比べて調べます。円盤えんばんを持つ天体てんたいも見つかっており、その周りでさらに小さな天体てんたいが生まれる可能性かのうせいも研究けんきゅう対象たいしょうになります。

日本との関係

日本にほんの天文学てんもんがく者も、すばる望遠鏡ぼうえんきょうや宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうのデータを使って星や惑星わくせいの誕生たんじょうを研究けんきゅうしています。WebbはNASA、ESA、CSAによる国際こくさい計画けいかくで、公開こうかいデータは世界中せかいじゅうの研究者けんきゅうしゃが利用りようします。

もう少しくわしく

星より小さく、惑星わくせいより星に近い天体てんたい

夜空に見える星は、ガスやちりが集まり、中心ちゅうしんがとても高温こうおんになって光り続けています。

では、同じようにガスの雲から生まれても、星になるには小さすぎる天体てんたいはどうなるのでしょうか。

そうした天体てんたいの一つが褐色矮星わいせいです。

NASAは9月15日、ジェームズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうが観測かんそくした星形成けいせい領域りょういきIC 348の新しい画像がぞうと研究けんきゅう成果せいかを公開こうかいしました。

そこで見つかったのは、木星もくせいの約2倍の質量しかない、とても軽い褐色矮星わいせいです。

約1,000光年先の「星のゆりかご」

IC 348は、地球ちきゅうから約1,000光年先、ペルセウス座の方向ほうこうにあります。

この場所ばしょには冷たいガスやちりがあり、その一部が重力で縮んで、新しい星や褐色矮星わいせいが生まれます。

Webbは赤外線せきがいせんを観測かんそくするのが得意です。赤外線せきがいせんを使うと、目に見える光では見通しにくいガスやちりの中にある若い天体てんたいも調べやすくなります。

研究けんきゅうチームは2024年にWebbのNIRCamで候補こうほを探し、2025年にはNIRSpecという装置で光を詳しく調べました。

なぜ「木星もくせいの2倍」が驚きなの?

普通ふつうの星は、中心ちゅうしんで水素の核融合が続くことで長く光ります。

褐色矮星わいせいも星と似たようにガスの雲から生まれますが、質量が小さいため中心ちゅうしんが十分に熱くならず、普通ふつうの星のように水素の核融合を長く続けることができません。

これまでの理論では、星と同じ仕組みしくみで生まれる天体てんたいには「これより小さくなるのは難しい」という限界があると考えられてきました。

ところが今回こんかい、木星もくせいの約2倍という非常ひじょうに軽い褐色矮星わいせいが確認かくにんされました。

そのため研究者けんきゅうしゃは、星が生まれる仕組みしくみは、考えていたより小さな天体てんたいまで作れるのかもしれないと考えています。

小さな天体てんたいのまわりに円盤えんばんも

今回こんかい見つかった軽い褐色矮星わいせいの一つには、周りに円盤えんばんがある兆候も見つかりました。

若い星の周りにあるガスやちりの円盤えんばんは、惑星わくせいが生まれる場所ばしょになることがあります。

とても小さな褐色矮星わいせいの周りでも、さらに小さな天体てんたいができる可能性かのうせいがあるのか。これは今後こんごの研究けんきゅうテーマの一つです。

大きな画像がぞうの中に、星の誕生の手がかり

今回こんかい公開こうかいされたIC 348の画像がぞうは、Webbがこれまで公開こうかいした画像がぞうの中でも大きなものの一つです。

きれいな宇宙うちゅう写真しゃしんとして見るだけでなく、その中には若い星、褐色矮星わいせい、ガスやちり、星から吹き出す流れなど、星が生まれる途中のさまざまな姿が記録きろくされています。

宇宙うちゅうの画像がぞうは、景色であると同時に科学かがくのデータです。

一枚の画像がぞうから「星はどうやって生まれるのか」「どこまで小さく生まれられるのか」という問いを調べられるのが、天文学てんもんがくのおもしろさです。

MINI QUIZ

1問だけチャレンジ

今回こんかい見つかった非常ひじょうに軽い褐色かっしょく矮星わいせいは、どれくらいの質量しつりょう?

この記事に出てくる組織

  • ESA(欧州宇宙機関):ヨーロッパの国々が協力して宇宙開発や科学観測を進める宇宙機関です。人工衛星、探査機、宇宙望遠鏡などの計画を行います。
  • NASA(アメリカ航空宇宙局):アメリカ政府の宇宙・航空の機関で、宇宙探査、地球観測、宇宙望遠鏡、航空技術などの研究やミッションを進めています。

情報源

最終確認:

この記事の制作では、AIを編集補助として利用しています。公開前に人が内容を確認しています。